第19章 初めての雪
初めての雪
四国から帰った次の日から、仕事が始り、はなはのお留守番がまた始った。どうやって話せば、はなに分かってもらえるのか、はなはもう分かっているのか…知りたいところだ。
出勤のときはなは門まで付いてくるが、私の服装の違いで分かるようである。私は門の外に出て、中にいるはなに「がんばってね、お留守番頼むよ」と声をかける。
その時のはなの表情は何と言っていいか、言葉では難しいが、耳を下げ上目使いでじっと私を見る。何をどう言って話し掛けても、そのままの姿勢で抗議の目を向け続ける…。
・・・怒っているのね
そして、後ろを向いて歩き出し、玄関の前の定位置に座る。私はそこまで見ていられない。
「なんて、いやらしい態度取るんだろうねえ…」と涙ながらに私も歩きだす。
しばらく歩いて振り返ると、はなは、また門のところまで来ていて私が見えなくなるまでずっと見ている。ずっと…。
毎日こんな感じではなと別れるのだが、四国9日間一緒にいた私としてはつらくその週は実家に何度かお世話になった。朝、はなを実家に掘り込み、夜迎えに行った。ナナがはなの気を紛わせてくれた。
その週の終わりに寒波がやって来て名古屋にも雪を降らせた。はな初めての雪である。
そもそも、寒い地方の犬なので、寒さには強く、この寒波まで、はなは寝るときも丸くはならなかった。横になって寝ていた。
寒い朝、冷たい牛乳をガブガブ飲んでいる姿はまるで“変態”だ。
はなの鼻の頭についた雪、つめたそーッ
私は、朝、外が白いのに気が付いて飛びおきた。はなはどうしてる?? 出て行くといつものように『遊ぼう!』としっぽを振っていた。
隣の駐車場が最近はなの運動場になっているのだが、真っ白の駐車場を嬉しそうに走り回った。
名古屋の暑い夏を耐えていたはなを見てもがんばれとしか言わなかった私だが、嬉しそうに雪の中を走っているはなを見て初めて名古屋に連れて来たことを申し訳なく思った。
彼女の庭に雪が積もるのは一年のうちに1度あるかないかである
今年はスキーへ行こうね、はな。
黒の体に白い雪が良く似合うはなである。
〜余談〜
雪があまりにも白く、3週間風呂に入っていないはなの足が茶色にみえて、その日、日向はぽかぽかしていたので、はなを洗ってしまった。乾くのに2日はかかるのを忘れていた。
彼女は鼻水をたらした。あさはかな飼い主で、またもや「申し訳ない…。」と思った。
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