第14章 事件2
事件2
その月は長雨続きに台風までくるお天気だった。 散歩にも行けず、庭もずっと濡れていてはなはそろそろあきてきていた。
雲の切れ間に日が射したのでいつもの川へ出かけた。こんな天気が続いていたので、河原は雨が上がったすきに散歩へきた犬連れでにぎわっていた。
長雨に、台風で、いつも入って遊ぶ川の水は茶色く、水位は上がってかなりの急流になっていた。 川幅も普段は20Mほどで人間のすね、腿から腰あたりの水位しかないが川幅はぎりぎりの50Mほどになっていた。
「これじゃ入れないね、はな」とはなに言うと、
はなも水際で足をぬらす程度で入れずこちらをみた。
そこへものすごい勢いでボールが一つ上流から流れて来た。はながそれを見つけてしまった。
「はな!だめぇ!」
はなは水に飛び込んだ。 ボールの流される速度に加え、はなは泳いでいるのであっという間に追いついた。ボールをくわえた瞬間自分を取り巻く状況が分かったようだった。
もがくように泳ぐが流れが速すぎて、どうにもならないようだった。どんどん、どんどん流されていった。
いくつかブロックが置いてあるところは急流になっていて、はなはそこでのまれては姿が見えなくなり、また浮き上がる、を繰返した。
「はなーーーーっ!!」
私は流されていくはなの横を全力疾走で名前を叫びながら走った。 流されていくはなの速さはとても速く私とはなの距離はどんどん離れていった。
頭の中では(もう助からない。このままはなが流されればはなの死体を見つけるのも無理…映画のホワイトファングUだったかなこんなシーンがあった。。。)とそんな事を考えていた。
はながおぼれかかっているのも、一目で分かる上に、私が横をものすごい形相で走れば人は注目せざるを得ない。
「犬が流されている!!」とあっという間に人が集まって来た。
5―600Mほど流されたところで、はなはブロックを越えて少し緩やかな流れのところまで来ていた。また泳ぎはじめた。そして… 反対側の川岸に泳ぎ着いてしまった。私もその頃やっとはなに追いついた。
両岸をつなぐものは何もなく、どうする。どうする。いろいろ考えてみたが、私が川岸を離れれば彼女はまた飛び込んでしまう…・。上流の流れの緩やかなところで泳がすしかない。周りの人たちが「どうするんだろう・・」と見守るなか、上流に向かって私は歩きはじめた。はなも向こう岸で不安げにこちらを気にしながら、上流に向かって歩き出した。300Mほど歩いたところで、我慢仕切れなくなったはなは飛び込んでしまった。
今のまれたばかりの流れが急になっているブロックの少し上流で…。
そのまま流されたとうりにもう一度、激流にのまれることになった。私も、もう一度、
「はなーーーーっ!!」
私は流されていくはなの横をまた全力疾走で名前を叫びながら走った。 同じ場所で、またはなは泳ぎはじめた。
私はまたもや流されるはなに追いつくことはできず、走っていた。
見ていた人たちがはなに「こっちこっち!!」と声を掛けてくれ、気付いたはなは、こちら側へ泳ぎ出した。はながやっとの思いで泳ぎついたとき、私もはなに追いついた。息を切らしたはなと私はその場で助けてくれた人たちに「お騒がせしました!すみません」と頭をさげ、川を後にした。
いつもは穏やかな川の流れなのに
ナナ&はな&妹しょうちゃん
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